山下寛人オフィシャルブログ

オイシックス株式会社 執行役員 システム本部長 山下寛人の公式ブログです。

過去にひきずられるUI設計の例

ウェブなどのUIの設計は過去に引きずられがちです。なぜならユーザーには「慣れ」があります。あまり使いやすいUIでなくても一度慣れてしまった後に変わると使いにくく感じるものです。

使いにくい部分を抜本的に変えると今までのものに慣れた人から使いにくくなったという意見が多数出てきます。それに対応しようとしていくとだんだん変える前のものに似てきます。もともと抜本的に変えようとしたはずなのにいつの間にか前とあまり変わらないものになってしまい、慣れていない人にとっては使いづらいままという状態が続くことになりかねません。

具体的な例を紹介します。オイシックスのPCサイトは2010年9月にリニューアルしました。リニューアル前のページはこのようになっていました。

リニューアル前
internet archiveから持ってきました。
リニューアル前は商品がリスト表示になっていて画像が小さく文字が多かったです。また画面右にショッピングカートがあって常にカートに入っているものが見えていい反面画面が窮屈な感じがしていました。そこで商品をグリッド表示にし、文字を減らし、画面右のショッピングカートを右上だけにして必要なときに開いてみれるようにし画像を大きくしました。

リニューアル後
リリース後にはいろいろな声が寄せられましたが最初に書いたような、「慣れ」による意見も多くありました。リスト表示のほうが見やすいから戻してほしい。カートの中身が常に見えるようにしてほしい。商品の説明文章がなくなって選びにくくなった。1人2人でなく結構な人数だったので、その当時はリスト表示に切り替える機能をつけたり、カートを開いた後「開いたままにする」ボタンをつけたり、マウスオーバーで商品の説明文章を出すような対応をしました。今はいつの間にかどれもなくなっていますが不満を言う人は多分いません。


オイシックスの事例以外で有名なところではWindows8があります。スタートメニューがなくなったことで評判がよくありません。8.1では左下にボタンがつきました。次のWindows10ではもっと前のスタートメニューに近くなるようです。しかしMacではスタートメニューがないにもかかわらずそれについて文句を言う人はいません。

クックパッドのアプリでもリニューアル後はweb業界での評判が良かったのに既存ユーザーからは評判が悪かったそうです。記事の趣旨はちょっと違うかもしれませんが、慣れたものから変わったということで改良された部分へのクレームもあったのではないかと思います。

ユーザーレビューとどう向き合う? クックパッドiPhoneアプリに酷評殺到の背景 (1/3)


対処方法としては、こういう慣れの問題があることを理解したうえで、ある程度互換性に配慮したUIにする、既存ユーザーと新規ユーザーでUIを変える、切り替えられるようにする、といったやり方があると思います。